お仕事でパソコンのモニターを長時間見る方などで、慢性的な目の疲労感に悩まされている方は多いと思います。
目薬や蒸しタオルで症状の緩和を図るのも良いですが、もっと根本的に対処したいという方に、鍼灸施術による目の疲れの解消についてご紹介します。
目で見るために必要なこと
目(眼球)は瞳孔から入ってくる光を網膜で捉えて、視覚情報として脳に送るという働きを担っています。
ただし、頭部はいつも細かく揺れ動いているので、そのままでは手ぶれ補正のないカメラで撮影した動画のようにブレブレになってしまいます。
そこで、特に目をこらしてじっと見るときには頭部をしっかり固定する必要があります。
頭部を固定する筋肉
私たちがパソコンのモニターや、手元のスマホの画面をじっと見るときに頭部を固定してくれる筋肉は後頭部にあります。
「後頭下筋群」と呼ばれる4種類の筋肉は、後頭部の下縁と頸椎(首の骨)の上部を繋いでいて、収縮することによって頭部がぶれないように固定する働きがあります。
眼球の動きに応じてそれぞれが細かく反射的に動くため、目との関りが非常に深い筋肉です。
目の疲れと後頭下筋群
仕事などで長時間目を酷使すると、この後頭下筋群も疲労しコリを形成するようになります。
筋肉が硬くなってしまうと、頭の固定が不十分になって視野がぶれやすくなり、眼球を動かす筋肉(外眼筋という6種類の筋肉)にも負担がかかります。
また、血液の流れも低下するので疲労も回復しにくくなってしまいます。そうなると慢性的に目が疲れやすくなり、ひどくなると痛みを誘発することもあります。
鍼で後頭下筋群のコリを緩める
硬くなってしまった後頭下筋群を何とか緩めたいところですが、この筋肉は後頭部と頸の骨の間の非常に深いところにあり、また何層も筋肉が重なっているため、押したり揉んだりするには難しい位置にあります。
そこで鍼の出番となります。
鍼を用いて、深部に位置する後頭下筋群をピンポイントで刺激して硬くなってしまったコリを緩めることができるのです。
コリが緩むと血液の流れも改善し、施術後に目がすっきりして視野が明るくなったとおっしゃる方もいます。
慢性的な目の疲れにお悩みの方は、ぜひ一度鍼による治療を試してみてください。