メンタルヘルスに鍼灸治療
今回はうつ病の鍼灸治療について紹介します。
「心」の領域に鍼灸を試してみたいという方は、じつはかなり多くいらっしゃいます。
憂うつな気分が一日中続く、好きだったことを楽しめない…。
疲労感がある、やる気がでない、なんとなく気持ちが晴れない…。
このようなお悩みを改善する手段の1つとして鍼灸治療が注目されています。
当院はストレスのコントロールや過剰な緊張の緩和を目的にした鍼灸治療をおこなっています。
うつ病に鍼治療は有効
通常ケア(標準治療)に鍼治療を加えた方が、うつ病の症状は軽減する可能性が高くなるといわれています。
海外の研究ではありますが、「服薬などの通常ケア群」と「通常ケアに鍼治療を加えた群」を比較したところ、「通常ケアに鍼治療を加えた群」の方が症状が軽減しやすいという結果が出ています。
つまり、鍼治療をプラスした方が、より症状の軽減が期待できるということです。
当院での治療計画
まずは週1回のペースで8回ほど、鍼灸治療を試してみましょう。
うつ病や双極性障害うつ状態は、鍼灸治療を開始して2ヵ月目くらいで症状が減少することが多いといわれています。
また効果は個人差があるため、鍼灸治療を継続するか中止するかを検討するのに適したタイミングと考えています。
一定の期間は鍼灸治療を受ける前提で、あせらずに継続していくことが大切です。
どのような鍼灸治療をおこなうか
うつ病は個別性が高いのが特徴です。
おひとりずつ鍼灸治療のプランを立て、状態や体質に合った施術をおこなっていきます。
全身に鍼やお灸をおこなうことが多いですが、
特に頭部に鍼をして通電する施術が好評です。
また、ストレス、睡眠障害、脳機能の改善などに鍼灸治療は有効であると考えられています。
肩こりや胃の不快感など、お身体に気になる症状が伴う場合もご相談ください。
信頼関係を大切に
うつ病は、長期的に治療計画を立てることが一般的です。
一定期間は鍼灸治療の継続を必要とするケースが多いので、「鍼灸師ークライアントの良好な関係」がとても重要になります。
また、うつ病に伴う否定的認知によって、「治療は役に立たない」と考えてしまうことがあります。
このような否定的認知により、適切な鍼灸治療の機会を失わないようにするためにも、信頼関係が大切です。
さらに、寛解後も再発予防の観点から、肩こりや睡眠のケアなど、身体的な不調の改善や健康維持を目的にした鍼灸治療でのフォローを継続される方が多くいらっしゃいます。
うつ病はとても個別性の高い疾患です。
質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
24時間いつでもネット予約が可能です。
【初めての方】鍼灸施術(初検料2,000+施術料6,000円)のメニューを選んで予約してください。
すべての施術者が対応可能です。お待ちしております。
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うつ病の鍼灸治療と臨床研究のススメ 中編
うつ病の鍼灸治療と臨床研究のススメ 後編
著:松浦悠人 博士(鍼灸学)
参考文献
MacPherson H, et al. Acupuncture and Counselling for Depression in Primary Care: A Randomised Controlled Trial. PLoS Med. 2013;10(9):e1001518.
松浦悠人 他. うつ病と双極性障害うつ状態に対する標準治療による助走期間を考慮した鍼治療3ヶ月間の上乗せ(add-on)効果と持続効果:過去起点型コホート. 全日本鍼灸学会雑誌. 2019;69(2):102-112.