頭痛の鍼灸治療

はじめに

鍼灸治療は、緊張型頭痛・片頭痛・薬剤使用過多の頭痛において、痛みと予防のどちらも効果が期待されています。
日本では頭痛に悩まされている人は多いものの、病的で激しい痛みでないかぎりは、病院にかからず我慢していたり市販薬などで対処しているケースがほとんどだと考えられています。
日常的な頭痛は仕事や家事などのパフォーマンスを低下させるだけでなく、人生のさまざまな場面で楽しめなくなる原因になりかねません。
頭痛でお悩みの方に鍼灸はどのように役に立てるのか、今回は特に緊張型頭痛と片頭痛について紹介します。

※『頭痛の診療ガイドライン2021』(監修:日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会)で、片頭痛・緊張型頭痛・薬剤使用過多の頭痛における標準治療の中で、鍼灸治療が予防・発作期いずれの局面においても非薬物療法の中の選択肢の1つとして推奨されました。この診療ガイドラインは、臨床医(医師)が頭痛の適切な診療をおこなう判断を支援する目的で最新の医学的知見(エビデンス)に基づいて作成されています。

目次

緊張型頭痛に鍼灸は有効

月に何日くらい痛むのか、頭痛の頻度は重症度の目安になります。
鍼灸治療を取り入れて頭痛が起こりにくい状態を目指していきましょう。

1カ月に数日~15日未満、もしくは15日以上の頻度で緊張型頭痛が起きる人を対象にした研究では、鍼治療を受けた人の約半数で、頭痛の頻度が少なくとも50%以上減少したという報告があります。

より一層の検討は必要ですが、鍼灸治療は緊張型頭痛の予防に有効です。

このように鍼灸治療を取り入れると、頭痛に悩まされる日数が大きく減る可能性があります。
また、緊張型頭痛は心理的ストレス要因や肩こりが関与するケースが多いと考えられるので、ストレスや肩こりにも効果が期待できる鍼灸はとてもおすすめです。

緊張型頭痛を詳しく(準備中)

片頭痛に鍼灸は有効

片頭痛は日常生活に影響が出るくらい重い痛みを生じることがあります。さらに働き盛りの年齢に多く発症するので、仕事や家事などに支障をきたすこともある注意が必要な疾患です。

頭痛によって日常生活に支障が出ている、あるいは市販の鎮痛薬を頻繁に飲み続けている方は、医療機関の受診を検討することも大切です。

急性期治療

片頭痛の発作早期に鍼治療を受けた人の約35%で、その後の発作が予防されたという報告があります。
そこで鍼治療は片頭痛の急性期鎮痛薬のトリプタンより効果は少ないものの、自然経過や偽鍼より有効であることも報告されています。

このように片頭痛の急性期治療に鍼治療は効果を認めます。

予防療法

通常治療(服薬)や治療なし(自然経過)に鍼治療を追加すると、片頭痛の起きる頻度が減少することが認められています。

より一層の検討が必要ですが、継続的な鍼灸治療は片頭痛の予防に有効といわれています。

また、鍼灸治療は非薬物療法なので、片頭痛に悩む薬を飲みづらい方や薬物療法を希望しない方の治療オプションにもなります。

片頭痛を詳しく(準備中)

まとめ

頭痛の鍼灸治療は一般的で、当院でもたびたびおこなわれています。
結果が良いことも多く「鍼灸を受けるようになって頭痛が減った」という声はよく聞きます。
頭痛予防に興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。

今回は触れませんでしたが、難治性の頭痛に鍼灸治療を試してみたい方もいらっしゃると思います。
難治性の頭痛は頭痛専門医が中心となってチーム医療をおこなうことが推奨されています。まずは鍼灸治療を追加したい旨を主治医の先生に相談していただくのがスムーズです。当院でもできる限り対応いたします。

すべての曜日、すべての施術者で、頭痛の鍼灸治療は対応可能です。
予約ページで「鍼灸施術」を選んでください。

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関連記事・参考文献

ハリトヒト。関連記事:「薬剤の使用過多による頭痛(MOH)に対する鍼灸治療の役割」著 菊池友和(外部サイト)

参考文献
「頭痛の診療ガイドライン2021」医学書院(監修:日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会)
Linde K,Allais G,Brinkhaus B,et al:Acupuncture for the prevention of tension headaches.Cochrane Datebase Syst Rev 2016;(4):CD007587.
Linde K,Allais G,Brinkhaus B,et al:Acupuncture for migraine prophylaxis. Cochrane Datebase Syst Rev 2009;1:CD001218.

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