睡眠は最も重要な休養行動です。
健康づくりのために良い睡眠が必要になるのは、誰もが体感としても知る所だと思います。
良い睡眠を取るために、鍼灸院がお役に立てることを紹介していきます。
睡眠の役割
睡眠にはたくさんの役割がありますが、
ここでは覚醒時に目や耳から入る膨大な情報を記憶・消去する「情報の整理」と、
脳の活動により生じた老廃物を除去する「脳のメンテナンス」の役割に注目します。
睡眠が不調になると、この「情報の整理」と「脳のメンテナンス」の働きが不十分になることで、
集中力や判断力の低下が起こり、日常生活や仕事、学習などに悪影響がでると考えられています。
「頭がぼーっとする」、「やる気がでない」、「うっかりミスが増えた」など、
そのような状態のときは、しっかり睡眠が取れているか確認してみるのも大切になります。
睡眠は量(時間)と質(ぐっすり眠れているか)、タイミング(眠る時間帯)の観点で捉えることが必要です。
睡眠障害とは
睡眠の不調は日本人の5人に1人が抱える身近な問題です。
睡眠障害の中でもっとも多いのが不眠症で、眠れないことによって日中に倦怠感、集中力低下などが出現し、活動に支障を生じる病気です。
不眠など、睡眠に関する悩みで医療機関を受診する割合はとても低く、眠れないからお酒を飲むなど、誤った対処法をしているケースもあり、睡眠に対する意識の低さが課題としてあります。
鍼灸院では良質な睡眠が取れるように、日常生活や睡眠環境を整えるアドバイスもしつつ、鍼灸治療をおこないます。
鍼灸治療で睡眠の質が改善する
鍼治療をおこなうと、不眠症の患者さんの「主観的な不眠症状が改善」し、また機器を用いて測定しても「睡眠の質が改善した」という報告があります。
具体的には「早く眠れるようになる」、「深い睡眠の割合が増加する」という効果が期待できます。
鍼治療は不眠に有効であり、非薬物的な治療オプションでもあるということです。
体調をトータルに考える
鍼灸院で睡眠の不調を訴える方は、睡眠以外の不調を抱えているケースが少なくありません。
例えば、慢性的な肩こりが不調のベースにあり、仕事や家庭環境の変化など、何らかのストレスが加わって不眠になったという例はイメージしやすいのではないでしょうか。
肩こり、眼精疲労、ストレス、抑うつ気分、頭痛などの対処にも、鍼灸治療は有効といわれています。
睡眠の不調を感じたら、体調をトータルに考えて、鍼灸でケアを始めるよい機会かもしれません。
ハリトヒト。鍼灸院では、ひとりひとりに鍼灸治療の方針や生活習慣、睡眠環境のアドバイスを提案させていただきます。
すべての曜日、すべての施術者が対応可能です。
お気軽にご相談ください。
関連記事・参考文献
ハリトヒト。関連記事
「不眠症」と「うつ病に伴う不眠症」に対する鍼治療の考察 著:松浦 悠人 博士(鍼灸学)
参考文献
Wang C, et al. Impact of Acupuncture on Sleep and Comorbid Symptoms for Chronic Insomnia: A Randomized Clinical Trial. Nat Sci Sleep. 2021;10;13:1807-1822